技術と日常。

日々の気が付いたこと・気になったことを残しておきます。

[放送大学]2022年度の受講科目と振り返り

2022度の受講科目と試験結果

1学期

履修年度 履修学期 科目コード 科目名 評語 合否
2022 1学期 1170040 情報学へのとびら(’22) 合格
2022 1学期 1140094 運動と健康(’22) 合格
2022 1学期 1150030 日本語リテラシー(’21) 合格
2022 1学期 1570269 データベース(’17) 合格
2022 1学期 1570374 映像コンテンツの制作技術(’20) 合格
2022 1学期 1920014 色と形を探究する(’17) 合格
2022 1学期 1519174 今日のメンタルヘルス(’19) 合格
2022 1学期 1940015 音を追究する(’16) 合格

2学期

履修年度 履修学期 科目コード 科目名 評語 合否
2022 2学期 1140051 問題解決の進め方(’19) 合格
2022 2学期 1750054 日常生活のデジタルメディア(’22) 合格
2022 2学期 1570285 コンピュータとソフトウェア(’18) 合格
2022 2学期 1570358 Webのしくみと応用(’19) 合格
2022 2学期 1950029 AIシステムと人・社会との関係(’20) 合格
2022 2学期 1710036 健康と社会(’17) 合格
2022 2学期 1710125 健康への力の探究(’19) 合格
2022 2学期 1710150 生活経済学(’20) 合格

印象・思い出に残った科目

1150030 日本語リテラシー(’21)

「日本語の助詞の働きを意識して読めているか」ということを、改めて考えさせられました。
特に第7回の「は」と「が」の違いについての考察が一番印象に残っています。
放送授業の終盤で出てきた、伊豆の踊子の翻訳の話は「本当に日本語が読めてますか?」ということを突き付けられた気持ちになり、ショックを受けました。是非印刷教材だけではなく、放送授業も見てほしいです。

1570269 データベース(’17)

レベル感としては、IPAデータベーススペシャリスト試験レベルのようです。実際に章末の演習問題は、その過去問から出題をされています。
RDBMSを扱うエンジニアなら、第一正規形が良くないことは知っていると思いますが、9章の第1正規形が更新時異常を引き起こす話は、その不都合を3パターンに分けて解説しており、改めて勉強になりました。
また、8章の選択、射影、結合などの演算の厳密な定義の話も興味深かったです。

1570374 映像コンテンツの制作技術(’20)

普段よくみる映像作品が、裏ではどう作られるのか、という内容です。
長時間の映像を短い尺ににカットするときに、どう映像をつなげば不自然ではないのか、という話が12章で学べるのですが、これを読む前と読んだあとで、映像作品を見てるときに「お、あの技法使ってるのか~」なんて考えたりするようになり、見方が少し変わった気がします。

1950029 AIシステムと人・社会との関係(’20)

AIの歴史から、AIを使った結果良かったこと悪かったことの実例と、最後は人間はAIとどう付き合っていけば、という話が学べます。
AIを使う上での倫理についての話が、14, 15章に載っています。
ChatGPT等の登場により、急激にシンギュラリティが現実味を帯びてきましたが、人間には、それを使う上での高い倫理観と責任が求められるようになると感じています。
これから、AI抜きでの生活というのはおそらく不可能なので、総合科目として、技術者にもそうでない人にも、広くいろいろな人にお勧めできます。

1750054 日常生活のデジタルメディア(’22)

この科目は内容ではなく、単位認定試験が記憶に残っています。
放送大学の単位認定試験は以下の3つのパターンがあると思っています。

  1. 印刷教材をちゃんと勉強すれば解ける
  2. 印刷教材だけではなく、放送授業まで視聴し理解する必要がある
    • このパターンの場合、印刷教材と放送授業の内容が違う
  3. 印刷教材・放送授業の両方を勉強しても厳しい
    • そもそも授業の内容が難しかったり、授業でやっていない問題が出たり

この科目は2のパターンでした、特に2022年1学期の過去問は、試験問題の大半が放送授業の内容(しかも結構細かいところ)から出されており、非常に焦りました。
実際にその試験の平均点は63.7点とかなり低く、当時のTwitterでも、難しかったという投稿が上がっていました。

放送授業を視聴しながらスクショやノートを取り試験に臨み、実際には1学期ほどは難しくなかった(と個人的には感じた)ものの、やはり放送授業の細かい点から出題され、一筋縄ではいかないと感じた科目でした。
ちなみに2022年1学期は、科目改定後初めての試験であり、試験を作る側としても、科目を頑張って作ったという想いが試験にあふれてしまったのかな……、なんて感じました。
内容としては良い科目でしたので、特に腰を据えて学習できる方にはおすすめです。

終わりに

この記事が、単位選択の際の何らかのヒントになれば幸いです。

[放送大学]放送授業のスクリーンショットが真っ黒になるときに読むページ

放送授業のスクリーンショットが真っ黒になってしまう時には

皆様、先日は単位認定試験お疲れさまでした。

さて表題の件、試験前に放送授業を見ながら、大事そうなところをメモ代わりにスクリーンショットにて撮っていたのですが、ある時まで撮れていたのが、ちょっと休憩をはさんだ後、急にできなくなってしまいました。

調べたところ、ハードウェア アクセラレーションに起因するもののようです。
例えばChromeの場合、 設定 > システム > ハードウェア アクセラレーションが使用可能な場合は使用する よりチェックを外すと、私の場合はスクリーンショットが撮れるようになりました。

ただ、この設定を外すと、YouTubeなど他の動画サイトを視聴の際に、PCが重くなることが考えられます。
そういう時は、また設定を有効にしてみてください。

参考

【PC画面録画】画面が黒くて録画できない時の対処方法 - LAPTOPRENEUR~ひざのうえライフ

[放送大学]数学科目受講で挫折しない5つのヒント

はじめに

この記事では、現役エンジニアが放送大学で2年間、数学学習を戦った際の「こういうことを知っておきたかった」「こうすればもっと楽だった」という知見を残したものになります。

プロフィール

現役のシステム(ソフトウェア)エンジニアをやっています。
高校では数学が割と好きなほうで、数III+Cまで学習しました。
卒業後大学にはいかず、IT関連ではない別の仕事に就きました。
就業しながら、AI・機械学習が面白そう!やってみたい!と思い本を開きましたが、高校卒業程度の数学力では太刀打ちできず、悲しみにくれました。
しかし、人生思い立った時がスタートの精神で、2020年1学期に思いきって放送大学 自然と環境コースに全科履修生として入学し、数学の学習を開始しました。

2021年2学期までの4期で、最終的に以下の科目の単位を取得しました。

5つのコツ

1. 「入門」とつく授業に気を付ける

「入門」と聞くと、どういうイメージを持たれるでしょうか。
おそらく大多数の方は「簡単」「優しい」「初心者歓迎」みたいな印象を持たれると思います。

放送大学では、その認識を改めてください。
放送大学での「入門」の意味は 「高校範囲を理解した上での、大学レベルの中ではでは入門・導入レベルの授業」 と捉えるといいと思います。普通に難しいです。

実際に、入門微分積分・入門線型代数は、高校時代に数学が得意だった私も苦労しました。
インターネットにも、困ってらっしゃる方がいました。

「入門」科目を受講する時は、まずそれ以前の高校の範囲がしっかり理解・復習できているかを一度自分に問いかけてから受講することをお勧めします。
ちなみにこれは、その他の物理や化学等の授業にも当てはまります。

2. 授業の進度が早いという認識を持つ

私は放送大学入学前「大学数学といっても、高校時代数学は得意だったし、通信制の大学だし(?謎の理屈)、何とかなるだろう。」という気分でいました。それが、授業を受けはじめて一変しました。

まず、放送授業のスピードが早いです。
放送大学の放送授業は45分となっており、最初は「90分の半分で済むなんてラッキー」と思っていましたが、その分2倍の速さで進むため、休憩なしのノンストップで、最初から最後まで早口で授業が進行します。
常に集中している必要があり、頭を休める暇がなく、かなり精神力を消耗します。
(ちなみに授業時間が半分でよいのは、放送教材と印刷教材それぞれ45分かけて勉強し、それぞれについて、90分の予習復習をすることを前提としているためです。)

また、カリキュラムとして、他の大学に比べると、かなり早いものになっています。
具体的に言うと、他の大学で2単位×2学期で、計4単位かけるような内容を、2単位の1科目に押し込んでいるケースが見受けられます。

つまり、通常の倍のスピードで、倍の密度のカリキュラムが組まれているため、最高で普通の授業に比べて4倍ものスピードで授業が進行します。
特に後半の難易度が上がったパートは、教科書を読みながら1本放送を見るだけでも、相当疲れると思います。

速いなと思ったら、半分のタイミングで休憩をとったり、もっと言うと1つの授業を2回にわけてもよいと思います。

3. 大学教授は教えるプロではない

基本的には、放送大学の教授陣はレベルが高いですし、放送授業・印刷教材も工夫が凝らされていると思います。
しかしながら、一部の授業で、がんばって理解してから「もっとこう言ってくれたら伝わりやすかったのにな……?」ということがありました。

フォローとしては、どうしても長くその業界にいると、自分が初学者の頃を忘れ(もしくは、初学者を一瞬で通り越してしまった天才タイプだったか)、躓くポイントがわからず、自分の目線で話をされてしまう、ということがあると思います(実際、エンジニア業界にもそういう方は見受けられます)。
また、放送大学の特性上、本当の初学者の方から、大学卒業後さらに探求心で通われている方まで、層が大変広いことから、受講生ごとのレベルにかなりの差があり、どこをターゲットにするか、という悩みもあるのかと思います。

なので、授業がわからなくても、あまり自分を責めすぎずにいてもらえたらと思います。

4. 「数学的成熟度」という考え方について知っておく

授業がわからないという点では、特に最初のころ私もかなり悩んでいた時期があったのですが、以下の、アメリカの大学の数学教授の動画が大変参考になりました。

www.youtube.com

要約すると以下のような内容です。

  • 日本の大学数学ではカリキュラム上の問題がある
  • 高校卒業時点の数学のレベル(数学的成熟度)では、微分の最初に学ぶε-Δ法や、線形代数は難しい。
    • ドラクエで例えると、その時点のレベルで立ち向かえるボスではない。つまり、ゲームバランスが崩壊してしまっている。
    • これらは理解するのに「知識」は必要としないが「数学脳の強さ」を必要とする。
  • 多変数関数の微積微分方程式など、計算中心のものを初年度に学んでから、次に進むことをお勧めする
    • 実際にアメリカのカリキュラムではそうなっている

実際に私も、入門微分積分の最初でε-N論法が出てきて、あまりにわからなくて3日間寝込みました。
当時はこれを知らず「入門なのに最初からついていけない……。」と、凄くショックを受けていたのを覚えています。

なので、例えば入門微分積分の最初で詰まってしまっても、めげずに、そのあとの計算中心パートを進めて見るのもよいと思います。
最後まで終えて、立ち返ってみれば、数学脳が鍛えられ、理解できるかもしれません。

数学的成熟度についてさらに詳しく知りたい方は、以下の動画を参考にされてください。

数学者としてのレベルを図る尺度は「数学的成熟度」。Mathematical Maturity, MM - YouTube

また、以下の数学の学び方の動画も大変参考になります。併せてご確認下さい。

大学レベルでの数学の教科書を読む際の注意点。 - YouTube

数学の教科書の読み進め方。大学レベルの数学の教科書を独学で読み進めるには? - YouTube

5. 仲間を見つける

最後はこれに尽きるかもしれません。

私は入学してから2学期目に、感染症がちょうど落ち着くか落ち着かないかのギリギリのタイミングで、オンサイトで行われる面接授業に出席することができました。
その授業では最初に各受講者から出席を兼ねて自己紹介の時間がとられており、そこで、年代や方向性が近そうな人がいたので、勇気を出して話しかけてみました。
話しかけてみると、実は歳は離れていましたが、入学の期は一緒で、受講している授業も非常に近いものでした。
何かの縁かと思い、連絡先を教えてもらいました。

その後、その方とはたまにではありますが「放送大学大変だよね」とか「あの授業難しすぎない!?」とか、そういう何気ない意識の共有ができることが、相当助かりました。
放送大学は一人一人の好きなペースで受講できる分、モチベーションの維持や、壁にぶつかった時の対処が難しい印象です。
一般の大学では当たり前にできるであろう、同じ時期に同じ学科に入学して同じような授業を取る友人(知り合いでも)がおらず、教えあったりとか、飲み会で愚痴を吐いたりとか、そういう普通のことの難易度が、ものすごく高いからです。

特に私が一番落ち込んだのが、落ちる人がいないといわれている通信指導に落ちた時です。「授業が理解できず通信指導に落ちるなんて、世界で自分だけなのではないか」なんて自身を責めたりしました。
しかし、前述したその方に連絡すると、実はその人も、同じ教授が担当していた別の授業で通信指導に落ちた経験があったことを知り「ああ……、自分だけではなかったんだな。あの通信指導の出題内容は理不尽だよな。」と、自分自身に全て責任があるわけではない、と知り救われました。

現在は、感染状況は一進一退で、なかなかオンサイトでの面接授業というのはないかもしれません。
しかし、もしタイミングがあれば(相手に迷惑のかからない範囲で)話せる人を作ってみてください。
また、今だとTwitter放送大学関連のタグを使用・検索することで、方向性の近い人が見つかるかもしれません。そういったツールも是非活用してみてください。

おわりに

以上、この記事から、何か1つでも学習のヒントが見つかれば幸いです。

落ちる人がいないといわれている通信指導に落ちた時の話はこちら

beppy.hatenablog.com

[放送大学]正多面体と素数(’21) 勉強法と単位取得のコツ

はじめに

この記事は前回の続きです。 是非こちらもお読みください。

beppy.hatenablog.com

章ごとの勉強方法

まず、本講義は大きく分けると、以下のようになっています。

内容
1 正多面体の性質
2-5 群論
6-7 行列
8 射影
9-10 多項式
11-15

1章 正多面体の性質

ここは高校数学の知識で乗り切れると思います。
復習をしつつ、なんとかついていってください。

2-5章 群論

私は、 5章までの群論の基礎をどれだけ固められているか が、本講義を受講する上でのポイントだと感じています。
一つのマイルストーンとしては、5章の最後に出てくる 準同型定理とは何をするためのものなのか ということを、きちんと説明できることかなと思います。

次の、ヨビノリさんの代数学講座が、本当におすすめです。 私は正直この講座がなければ、単位をとれなかったと思います。

yobinori.jp

もし2-5章の印刷教材、放送授業を見て勉強したうえでついていけなければ、こちらの動画の内容をマスターすることをお勧めします。

第1回で挙げられている、群論を学ぶ理由として「元と元の演算の結果の、入れ替わりの形・構造を考える」というというのを意識・理解できるだけでも、群論を学ぶ意味・モチベーションが全く違ってきます。

強いて言うと、第5回で挙げられている同値関係が、実例がなくわかりにくいかもしれません。
例えば、関係~を、三角形の相似として考えると、以下のようになります。
こうみると、結構当たり前のことを言ってるな?と感じるかもしれません。

関係 三角形の関係
反射律: a ~ a 三角形Aと三角形Aは相似(同じものなので)
対称律: a ~ b ならば b ~ a 三角形Aと三角形Bが相似なら、三角形Bと三角形Aが相似
推移律: a ~ b かつ b ∼ c ならば a ∼ c 三角形Aと三角形B、三角形Bと三角形Cが相似なら、
三角形Bと三角形Cが相似

是非ノートを取りながら、通して見てほしいと思います。

6-7章 行列

5章までの知識が固められていれば、行列の知識があれば、6-7章は乗り切れると思います。
シラバスには 「入門線型代数('19)」を履修していることが望ましい。 と記載がありますが、可能なら、上位の 線型代数学('17) も履修しておくと、より理解が深まると思います。

8章 射影

  • 2次元のものを1次元にどう落とし込むか
  • 3次元のものを2次元にどう落とし込むか

ということを考えていきます。
図を書いてみると理解が深まると思います。
最後は、点に対する正多面体群の作用を考えていきます。

9-10章 多項式

RS^{0}, RS^{1}, RS^{2}はそれぞれ頂点の集合、辺の中点の集合、面の中心の集合ですが、

  • 頂点(点)は0次元だからRS^{0}
  • 辺は1次元だからRS^{1}
  • 面は2次元だからRS^{2}

と覚えると良いです。

11-15章 体

あとはここを乗り切れれば勝ちです。

環と体について

まずざっくりですが、以下を覚えましょう

  • 今までは という、 1つの演算が成り立つ世界 を考えていた
  • これからは、 という、 和と積2つの演算が成り立つ世界 を考える
  • 環のなかでさらに、以下の条件を満たすものを と呼ぶ
    • 乗法の単位元1(≠0)を持つ
    • 1でない任意の元が単元(環Aの元a\in{A}で、ab=ba=1となる元b\in{A}が存在する = 乗法の逆元が存在する)
  • なお、環Aのなかで、単元全体をA^{×}で表す。
    • つまり0は含まない

体の拡大と剰余環

体の拡大と剰余環の関係が、ぱっと見わかりにくいので、次の例を考えます。

例えば、複素数の世界では、以下の計算が成り立ちます。  \displaystyle
(1+2i)\times(2+3i)=2+3i+4i-6=-4+7i

次に、R[x]は、Rを係数とする多項式全体R_{0}+R_{1}x+R_{2}x^{2}+R_{3}x^{3}+...です。
その多項式を、iを解に持つx^{2}+1で割った余りの世界を考えます。
2次式で割るので、余りは1次式となります。

ここで以下の計算を考えます。  \displaystyle
(1+2x)\times(2+3x)=2+3x+4x+6x^{2}=6x^{2}+7x+4

x^{2} + 1で割った余りの世界を考えているので、割ってみます (6x^{2}+7x+4)/(x^{2}+1)=7x-4

ここでxiとすると、-4 + 7iとなり、x^{2}+1=0の解である複素数を添加した世界に一致します。

以下のページが参考になります

有限体の計算

最後に試験対策として、有限体同士の演算に慣れておきましょう。

例えば有限体F_{4}とは、F_{2}=Z/2Z=\{0, 1\}の世界で、F_{2}の世界では解けない方程式(既約多項式)x^{2}+x+1を使用して、以下を考えます。

 \displaystyle
F_{2}[x]/(x^{2}+x+1)

F_{2}の世界では解けない方程式(既約多項式)とは、x^{2}+x+1には、F_{2}の世界の住人である\{0, 1\}のなかには、代入して=0となる解がない。ということです。(複素数の世界なら解が存在します。)

あとは、以下の手順で演算ができます。

  1. x多項式として普通に計算する
  2.  x^{2}+x+1で割って余りを出す
  3. それぞれの項に対してmod2を考える

例えば以下のようになります。

 \displaystyle
5x+4=x (5と4のそれぞれのmod2を考えた)\\
x^{3}=x^{3}/(x^{2}+x+1)=1

以下のページが参考になります。
有限体の性質・計算について理解を深めてもらえればと思います。

最後に

もしこの説明が、理解の手助けとなれば幸いです。
ただ、通信指導・正直単位認定試験は、正直どこから何が出るか、全くわかりません。
通信指導は、前回も書きましたが、わからないことがあったら質問箱を活用しましょう。
単位認定試験は、高校幾何を復習したうえで、印刷教材の各章末問題にちゃんと完答できるまで勉強すれば、試験でぼろぼろになるということはない……と思います。

単位を取れてみれば大変ためになる講義ではありましたが、非常に苦しかったのも事実です。
私は、再試験の勉強中、たまたま知り合いが代数学群論)の専門家であったことを知り、最終的には頼らなかったものの「いつでも聞ける人がいる」というのが心の大きな支えになり、なんとか最後までやり遂げることができました。

手放しでは勧められませんが、数学に自信のある方、チャレンジしたい方は、是非頑張ってください。応援しています。

[放送大学]正多面体と素数(’21)の通信指導に落ちた話

はじめに

放送大学は様々なバックグラウンドを持った方が入学されています。
その方々によって、難易度の感想は違ってくると思います。
本ブログも、とある個人の1感想としてお読みください。

受講を決めるまで

2021年1学期に放送大学に入学しました。
高校では数学III+Cまでを履修し、社会人大学生として修学しています。

2021年2学期までに、数学系では以下の単位を取得していました。

自分の中では、大分、放送大学での学び方やペースが掴めてきたな、と感じていた(=調子に乗っていた)頃でした。

そんな折、表題の講座が開設されることを知りました。
シラバスを見て「群論や、複素数を使用した立体の回転など、なかなか面白そう」という感想を持ちました。
新規開設講座で不安ではありましたが、上記の通り、それなりに数学系の自信はあったため、受講を決意しました。

受講~通信指導を解きはじめる

印刷教材が届き、受講を開始しました。
放送授業・印刷教材両方を使用し、適宜メモをとりつつ、割と真面目に受講していたと、今でも自分の中では思っています。

そうしているうちに、通信指導提出の季節がやってきました。
大体放送大学では、通信指導で提出する範囲は、放送授業全15回のうち、7-8回目くらいまでの内容を理解していれば解ける内容となっています。
実際、過去1年間もそうやって問題なくこなしてきました。

正多面体と素数も、7-8回目までの講義を聞き、一度通信指導の問題を開いてみました。 大問が3問で、どれも記述式となっていました。

……見たこともないような問題が並んでいました。

驚きました。どの問題も、今までの放送大学の通信指導問題とは雰囲気が違いました。 何度テキストを見返しても、全く解けないのです。

まず問1は、高校数学の幾何の内容でした。しかし授業で教えられたかと言われればそうではない内容です。
問2は群論の問題でしたが、授業で習った知識では、全く解法が思い浮かびませんでした。
問3は行列の証明問題でしたが、授業では行列に関してはさらっと知識に対して触れたのみで、到底自力では導出できないような証明問題でした。

それまで、放送大学の通信指導でこのような「全く解けない」という状況になったことがなく、大変困惑しました。

通信指導提出

さて、放送大学では、通信指導では明確な合格基準が公開されていません。
しかし、インターネットを検索すると、以下のように「提出すれば通過する」といった内容の文章がよく出てきます。

択一式の場合、(何点であっても)とにかく出せばOKのようです。

出典

一番悪くて1問しか正解しなかったことがありますが、それでも通信指導は合格しました。  

出典

期間中粘りましたが、どうしてもその時点の知識では解けなかったため、とりあえずわかる範囲で埋めて提出をして通信指導は通してもらい、単位認定試験までになんとか巻き返そう、という気持ちで、いったん提出をすることにしました。
ちなみに、問1は全て解き、問2は手が付けられず、問3は半分程解いた状態でした。

その結果……
「基礎から復習してください。」 というコメントとともに、不合格となりました。

振り返り

通信指導内容に関しての他の意見

まず、本講義に関しては、Twitterにて、通信指導が難しいという内容の投稿が複数見受けられました。

このお二人の「シラバスにある前提知識」「授業とテキストから得られる情報」だけでは解けないという意見には、完全に同意をします。
本教科に求められている前提の知識、そして、本通信指導の難易度は、高いものであったと思います。

私の甘かった点

しかし私も「通信指導は出せば受かるもの」と思いこんでいたことに関しては、甘い考えであったと反省をしています。
Twitterにて、よく調べれば以下のような意見もありました。

今でも、当時の自分なりには頑張ったつもりではありましたが、担当講師に質問箱を通じて質問ををするなど、やり方はあったのかもしれません。
通信指導に関する質問は可能なようです。

質問の対象は、現在履修中の科目(再試験対象者含む)で、授業で取り扱う教材に直接関わる学問的な内容に限ります。
質問回数は、当該学期の単位認定試験に係る疑義を除き、1科目につき1人あたり6回までです。

出典

その後

2022年2学期に再履修となり、合格することができました。
その際の勉強法については、次の記事にて書こうと思います。

beppy.hatenablog.com